急性期病院入院生活④リハビリ編

リハビリ室はとても明るく陽当たりの良い大きな部屋でした。

数名の患者さんと療法士さんががそれぞれリハビリに取り組んでいました。

「こちらの施術台に横になりましょう」そう言われましたが、

手すりがないので、一人では移乗は出来ません。

すると先生が「僕の腕につかまって、立ちましょう」と言って

肩ならぬ腕を借りて移乗する事ができました。

施術台に横になり、「膝を曲げられますか?」「足首は動かせますか?」

と先生が身体のマヒ状態を確認、評価していきます。

脳出血と言っても、出血した場所によって、マヒの出方は人それぞれ、マヒが軽い人もいれば、重い人のいます。

私の場合、右脳の被殻という場所で出血が起き、血が溜まった部分の脳細胞は死んでしまうとのことでした。

左半身が麻痺していましたが、動かさないでいると、脳は「もう動かさなくていい」と判断してしまうと、脳からの運動指令を出さなくなり、どんどんマヒ側が硬くなってしまう。どんどん刺激したり動かしたりして脳に働きかけていけば、死んだ細胞の他の部分が代わりに指令を出してくれるようになるとのこと。

PTの先生は主に下肢を担当し、OTの先生は上肢を担当し、マッサージや指圧をして刺激をし、「感覚を入れていく」という施術をしてくれました。「今、足の指を触っていますが、どの指を触っているでしょう?」とよく

聞かれましたが、触られていることさえ分からない状態でした。

「こんなんで本当に良くなるのだろうか?」と不安な気持ちでしたが、

先生と他愛無い雑談をしている時間は退屈で人恋しい入院生活で唯一の楽しみになっていました。

人に話すことで、不安が少しでも軽くなるのでした。

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