リハビリ病院入院生活⑫

「回復期のリハビリ」OT編Ⅰ

リハビリ病院入院生活①にも書いたように、リハビリによってどの位の効果があったか、この課題に対してどのようにアプローチをし、どのような結果になったかを知るために、まずはリハビリ前の状況を把握するための評価を行う。項目があり、月が変わる毎に評価される。

左半身麻痺があり、急性期の病院では感覚もなく、手をグーパーするのも

出来るか出来ないかという感じであった。今まで普通に出来ていたことは一切出来なくなって、左半身への意識もあまりなかったので、気がつくと左肩が痛くて、あれ?腕はどこに行った?と探すとベッドの脇に落ちていたり、身体の下敷きになっていたりした。

OTの先生から、食事の時に必ずテーブルの上に左手を置いて、使わなくても視界の中に入れてあげてくださいと何回も言われた。出来ればお茶碗も左手に乗せて食べてみて・・・と。

話は変わるが、私の髪の毛は生え際が癖っ毛なので、ショートヘアにするとヘルメットみたいに浮いてしまう。縮毛矯正をすればなんとか大丈夫だが、中学生以来、ショートヘアにした事がなく、仕事では介護職のため、まとめてゴムで縛っていることが多いため、発症した後、片麻痺になり、自分で髪の毛を結くことが出来なくなった。看護師さんや介護士さんにお願いして、髪の毛をゴムでまとめてもらっていたのだが、年配の看護師さんに、月に一度理髪師さんが来るから、有料だけど、この際切ってもらったら?と気にしていることをズバッと言われたのだ。それからというもの、なるべく自分で髪の毛を結けるようになりたいと時間があればあまり動いてくれない左手も使ってゴムでまとめるように努力していた。見兼ねた介護士さんが、よく手伝ってくれた。OTのリハビリでは左手、腕を集中的に動かしたり、施術したりして、少しづつ動かせるようになっていった。同時に握力も少しづつついていくと、トイレットペーパーを手にする時に両手が使えるようになっていた。食事の時も食器を左手で持って食べるようにした。しょっちゅう、左手で食器を持っていると、汁物がこぼれているのに気づかないことも多かった。そうして段々と左手が動いてくると以前のように両手で行っていた、布団を畳む、服を畳む、更衣も両手が使えるとこんなに楽に出来るんだとなるべく自分で時間がかかっても行うようにした。

そして、自分で髪の毛をゴムで結うことが出来た時、介護士さんやリハビリの先生がすぐに気づいてくれて、褒めてくれた。頭の真後ろで結うのは難しいため、横に結うことは出来た。OTの先生に、「三つ編みのやり方を忘れてしまい、どうしても出来ないんだ」と相談すると、OTの時間に太いロープを持ってきてくれて、これで三つ編みの練習をしてみましょうと。

太いロープを使っての練習は効果テキメンで分かりやすかった。応用で自分の髪の毛を三つ編みしてみると、左手の指があんなに動かなかったのに、

なんとか三つ編みにすることが出来た。

「先生!出来たよ!!三つ編みに出来た」

それからも毎朝三つ編みに挑戦して、どんどん上達していった。リハビリの先生達は皆びっくりしていた。

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