リハビリ病院入院生活⑯

「回復期のリハビリ」復職に向けてのリハビリ

私は介護職ではあるが、事務の仕事もある。

書類を持って歩く。書類をクリアファイルにしまう。

パソコンの操作を行う。OT室にはパソコンが設置されており、復職にパソコンを使う人は、文章作成や表作りなど、その人に仕事に見合った内容の操作を練習させてくれる。その頃には、病院内であれば、1人で歩いて良いという許可が降りていると、リハビリの先生がいる時間帯であれば、このパソコン室を予約すると、1人でも入室してパソコンを使っていいと許可された。

私の場合は、発症当時、仕事でとてもストレスを感じており、この時は復職に対してあまり希望していなかった。まだ、50代始めなので、何かしら仕事に就ければいいなとは思っていたが、麻痺になって、前のように正社員としてフルタイムで働くのは無理だとも感じていた。ましてや、ストレスの多い

職場に復帰する気は更々なかった。

お金よりも命の大事さを知ったからだ。

今までは、がむしゃらに働いてきた。マヒがある今、少しゆっくりしても許されるのではないか。

発症してすぐの頃、麻痺で半身が動かなかった自分に絶望していた。

私の父は1年前に肺炎で亡くなった。1週間ほど寝たきりになり、在宅介護したが、肺炎で食べれなくなり、急変して亡くなった。仕事を終えて、実家に行き、父に声をかけると、息をしていなかった。父の身体はまだ温かかった。

半身麻痺になって、見舞いに来た母に「なんでお父さん、私のこと連れてってくれなかったんだろう。いっそ連れてってくれた方が良かったのに!」と

泣きながら怒って言ったことがある。それを聞いた母は相当心配しただろう。

歩けるようになって、喜んでいる私に、「本当に良かったね」と何度も母は言う。こうなると父は分かっていたのだろうか?それともこうなるように

ずっと見守ってくれていたのかもしれない。今日、実家で父の3回忌の法事を行った。あの頃自暴自棄になってお父さんにあんな事言ってしまったけど、ごめんね。見守ってくれてありがとうねとお礼を言った。

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