OT(作業療法)のリハビリでは、
プラスチックのコップをマヒのある左手で握って持ち上げ、違う所に握った手を広げてコップを置くという動作を何度も繰り返しました。握るのもやっとでしたが、それ以上に難しかったのは「手を開く」動作。
「手を開いて、開いて」と脳に伝わるように言い聞かせても、脳からの指令がなかなか出ず。念じても動かない左手にもどかしさが募りました。
左手の握力はほぼ0。OTの先生も、「握るより指を開く方が難しいんですよね。今はこういう状態だという事が分かればいいんです。やっているうちに動かせるようになれば良いんですから。とにかく動かす、刺激して感覚を入れていく事が大事ですよ」と優しく言いました。
ある日、先生が小さいバケツを持ってきて、手を置いている台の上に置きました。中にはたくさんのお手玉が入っていました。「バケツから1個ずつ左手で取り出しましょう。」「は〰︎い」とお手玉を掴んだ瞬間、お手玉の中の素材の感覚が手から脳に伝わった、なんとも言えない、私にとってコレが「感覚が入った」という瞬間でした!それを機に左手の動きが良くなった気がします。
私が入院中に知り合った同じ脳出血で半身マヒになった患者さんのほとんどの方は、足の回復の方が早く、手はなかなか動くようにならないという方が多かったのですが、私の場合は手の方が足より先に動かせるようになったのは、この「お手玉の感覚」がきっかけだったのかもしれません。
