「回復期のリハビリ」歩行練習Ⅰ
転院してしばらくはあまり歩く練習はしなかった。が、立位・移乗は1人でしても良いと許可を得て、補装具を借りて着けるようになると、内反の足首を捻りやすいクセが出ないようになり、4点杖を使って歩行する訓練が一気に増えた。それまでみっちり体重移動の練習をしていたので、麻痺側にも体重を乗せて歩くというのを意識して歩くように言われていた。だが、左足はまだ感覚がなく、足裏の痺れだけが地面に着いていると分かる程度だった。
始めは手すりを使って歩行をしていたが、それでは途中で途切れてしまうため、4点杖を使用して歩いていたが、安定性があり、問題なく歩けていた。
OTの先生が「ベランダに出て日向ぼっこする?」と誘ってくれ、
OT室の窓からベランダに出てみた。「うわー!久しぶりのシャバの空気だ(笑)」
ベランダに長椅子が置いてあり、そこに先生と2人で座って日向ぼっこした。5月になっていた。風を感じて気持ちがいい。先生と雑談しながらのんびり過ごした。
ある日、振替のPTの女の先生が入った時に「杖無しで歩けるようになりたい」と言ってみた。すると「ちょっと歩いてみる?」と杖無しで5メートル位歩いた所で内反のクセが出て、左側に転倒しそうになった。
先生が後ろから支えてくれて、なんとか体勢を戻せたが、恐怖が強く残ってしまった。杖なしは無理だ・・・。
私の周りの人達がどんどん歩けるようになっていくのを見て、正直、焦りを感じていた。自分はまだリハビリの時間に先生が付いてくれている時しか歩く練習をさせてもらえなかったため、普段は車椅子生活だった。早く車椅子を卒業したい。でも、先日転びそうになったのもあり、地道にリハビリを続けた。
